腹式呼吸の3つのメリットのうちの一つ、「リラックス」についてです。
(他の2つは、「コントロール」「響き」の記事をご参照ください。)
歌う時の姿勢として、
「下半身はどっしりと支えて、上半身はリラックス」
という鉄則があります。
特に上半身は、なるべく力を入れないようにしたいんですね。
なぜかと言いますと、上半身は声が響くところが多いからです。
声は、声帯の振動だけではあんなに大きな音にはならないんですね。
体の色々なところに響いて、振動が増幅されて大きな音になっています。
声を出して体の色んなところを触ってみた時に、震えているところは声の振動が伝わっているところということになります。
首のまわりだったり、顔だったり、胸だったり…、色んなところが振動しているのが分かるでしょう。
例えば風鈴をチリ〜ンと鳴らした時に、鈴の部分が振動しますよね。
では、その風鈴を手で握ってしまったらどうでしょう?
振動が止まるから音は止まりますよね。
逆に、風鈴を手で握ったまま鳴らしても、振動しないので音は響きませんよね。
それと同じ要領で、上半身は振動して声が響いているところがたくさんあるので、上半身に力が入ってしまうということは・・・
もうおわかりですね。
振動が殺されて声が響きにくくなってしまうんです。
歌う時は「支え」が大事になってきます。
胸式呼吸で息を吸った状態で、そのままキープして(支えて)みてください。
胸や肩など、首の近くに力が入った状態になりますよね。
その辺りはちょうど音が響くところです。
歌っている時にそこに常に力が入っているということは、響きを殺しながら歌っていることになります。
なにより、そこに力が入った状態というのは歌いにくいですよね。。
腹式呼吸だと支えの時に力が入るのは腹筋や背筋です。
ここは歌う上で多少力んでいてもあまり支障はありません。
だから腹式呼吸をすると上半身が力みにくくなり、歌にとってはメリットになります。
せっかく腹式呼吸をしていても、そこを理解していなくて上半身を力んでしまったら意味がありませんからね〜。
しっかりとメリットを活用してくださいね!