よく、
「ビブラートが出来ると歌がうまく聞こえる。」
(だからビブラートが出来るようになりたい。)
という声を聞くんですが、僕は、
「歌がうまい人はビブラートが出来る。」
ってことなんじゃないかなと思ってます。
だから、逆なんですよね。
ビブラートが歌をうまく聞かせてるんじゃなくて、歌がうまい人はビブラートくらいのことは出来てるっていう。
ちなみに、「うまい」というのは色んな解釈があるので、ここで言ううまいというのは声をちゃんとコントロールできる、技術としてうまい(=巧い)としておきますね。
たまにビブラートの解釈の中で、
「良い発声が出来ればビブラートは勝手にかかるものだ」
とおっしゃる方もいます。
この解釈には、僕は半分賛成です。
「半分」というのは、「勝手にかかる」という部分はちょっとどうかなと思うので。
ビブラートはテクニックの一つであり、使い方次第だと思っているからです。
うまくコントロールしてきれいに聞かせられるならまだいいですが、勝手にかかってしまうというのは「クセ」ということなので、
クセが出るというのは歌として必ずしも良いこととは言えません。
(※クセに関しては「クセを知ろう」の記事をご参照ください。)
ビブラートと一口に言っても色んな種類があります。
曲調によって、表現の仕方によって、適材適所で使い分けられるとよりきれいに聞かせることができます。
だから、無意識的にそこをコントロールしているならいいとしても、何だか知らないけど勝手にかかるというのはいかがなものかなと思うんです。
ただ、賛成なのは「良い発声が出来れば」というところです。
これまた「良い発声」というのは色んな解釈があるので、僕がここで言うのは、
・声帯の動き(筋肉)のコントロールがきちんと出来ている。
・無駄な力みがなく、適切な脱力が出来ている。
という部分です。
これが、ビブラートを使う上で必要な要素だと思います。
ちなみにビブラートは、コツをつかめばすぐ出来るタイプの人と、訓練が必要なタイプの人といると思っています。
例えば、まばたきが速く出来るとか、舌を速く動かせるとか、特別な訓練をしたわけではないのになぜかそういうのが出来る人ってチョイチョイいますよね。
それと同じような感じで、ビブラートをするのに必要な器官を器用に動かせる人は、やり方のコツをつかめばすぐ出来るようになります。
ただ、みんながみんなそうではないので、やり方は分かるんだけどなかなか出来ないっていう人は、慣れるための訓練が必要です。
なので、
・まずはやり方(コツ)を知る。
・ひたすらやって動きに慣れる。
が習得方法です。