以前の記事で、歌の練習するにあたって
というお話をしました。
録音したからには当然「聴く」わけですね。
その「聴き方」について少し詳しく解説したいと思います。
録音した自分の歌を聴くとなると、
大体は「反省点」を探すことになると思います。
もちろんそれもいいんですよ。
自分に足りないところ
出来ていないところ
良くなかったところ
などをひたすら洗い出して、
それを反省して改善の材料にし、次に活かすと。
それも大切なんですが、
もう一つとても大事なポイントがあるんです。
それは、
「良いところも探す」
ということです。
これ、意外と出来てない(やってない)人がすごーく多いんですよ。
自分で、自分の歌の
「良いところ」
「好きなところ」
ちゃんと把握出来てますか?
練習する上で大切になるのが、
「自分自身が現状を把握していること」
なんです。
現状ということは、何もマイナスな部分だけではないですよね。
自分から見て、
出来ていると思うところ
良いと思うところ
好きなところ
などもたくさん探して挙げてみてください。
自分にとっての良い部分ってどうしても、
「出来て当たり前」
と思ってしまって、気付きにくくなりがちなんです。
だから、当たり前でもなんでも、
「ここは良いな」
と思えるところを一つでも多く見つけてください。
よくある、
「自分の歌を聴くのが嫌だ」
とか
「歌うことは好きだけど、自分の歌は好きじゃない」
という感覚は、ついつい自分に厳しくなって
悪い点や反省点や嫌な点ばかりに目を向けてしまいすぎるがために、
聴くのが辛くなってしまうというのも原因の一つだと思います。
ですので、粗探しだけでなく「良いところ探し」もしてください。
それは何か(誰か)と比較をする必要は全くなくて、
あくまで「自分基準」で大丈夫です。
「そうすると自分に甘くなって成長しないのではないか」
とか
「客観性がなくなって独りよがりの歌になってしまうのではないか」
と思われそうですが、そんなことないんですよ。
何度も言うようですが、
前進していくにあたってまず一番必要なのは
「現状把握」
そして、
「現状を受け入れること」
なんです。
厳しい目で見てしまうことで良い部分も見られなくなるなら、
それは冷静に現状把握が出来ていないということになります。
現状把握が出来ていないということは、
自分で気付けていない部分が多いということです。
また、悪い所ばかりに目が行くと、
どうしても現状を受け入れにくくなったり、
自信がなくなってモチベーションが下がってしまったりしがちです。
その方がよっぽど客観視出来ずに前進の妨げになります。
あと、
「そうは言っても自分で良いと思えるところが見つからない…」
という人もいると思います。
そういう場合は、いったん良い悪いを一切抜きにして、
「客観的に気付いた特徴を挙げてみる」
ということをしてみましょう。
例えば、
声のトーンが明るめ
少しハスキーな感じ
リズムの取り方が少しゆったりめ
言葉がハッキリしている
こういう曲調が合いそう
などです。
それが「良い」でも「悪い」でも「好き」でも「嫌い」でもなく、
ただただそういう特徴があるっていう部分です。
それが出来ると、その中から
「ここは好き」
「自分はこういうのが得意なんだな」
というところが見えてくると思います。
そういう部分がたくさん見つかった方が、
自分の歌がもっと好きになれます。
そうすると、
「もっとこうしたいな」
という部分もより冷静に見られますし、
自分の傾向が分かるので改善しやすくなるんです。
僕は普段レッスンで生徒さんの歌や声を聴いていて、
良いところや素敵なところがたくさん見つかります。
それが全くない人なんて誰一人いないです。
だから自信を持って探してみてください。
「歌が上手くなりたい!」という気持ちが強い人ほど
ついつい自分に厳しくなってしまいがちですが、
自分に甘くなっちゃって大丈夫ですよ!(笑)