
「帰国後の音楽活動編」に続き、歌お仕事の話。
音楽活動を続けて行く中で、もっと歌唱力を付けた方がいい、もっとステージングを身に付けた方がいいというアドバイスをあちこちからいただくようになりました。
ボイストレーニングはもちろんだけど、現場経験も積まないとな〜と思って実際に歌える場を探しました。
そんな中、新規でオープンするオールディーズライブバーが出演ミュージシャンを探しているという情報をネットで見つけて、そこにボーカリストとして応募をしました。
オーディションを受けて合格し、レギュラーで出演するボーカリストとして歌うことになりました。
合格が決まってからオープンまで一ヶ月ちょいくらい。
オープンまでに数十曲は覚えないといけなかったんですよね。
ステージでは楽譜や歌詞を見てはいけないので、歌詞も構成もパフォーマンスとかも全部頭に入れないといけないわけです。
これが大変でした。。
楽曲は、両親がその頃の音楽をよく聴いてたので割と聴き馴染みがある曲が多かったんですが、歌うとなるとまたそのために覚えないといけないですからね。
毎日毎日、聴く曲といえば仕事で歌うオールディーズ。
家にいる時でも、移動中でも、何をしてる時もただひたすら覚えまくりました。
曲をしっかり頭に入れて、歌詞を覚えて、体の動きを覚えて。
オールディーズライブ自体をあまりよく知らなかったので、既存のお店を色々見に行って勉強したり。
MCの勉強をしたり。
ちなみにオールディーズといっても、1950年代〜1990年代くらいの割と幅広い年代の曲をやってました。
アメリカやイギリスでヒットした有名な洋楽がメインです。
例えば代表的なオールディーズ曲だとこんなの。
「Rock Around The Clock」 by Bill Haley & His Comets
そしてオープンしてからは現場経験の毎日。
週に3〜5日出演してました。
ステージは、30〜40分間のステージを1日4〜5回やります。
もともとライブ経験があったとはいえ、ステージパフォーマンスのお仕事としてやるのは初めてだったので、
慣れるまではひたすら手さぐりでとにかく「やるしかない」状態。
最初は緊張もしてたけど、それだけやってれば慣れるのも早いもんで、緊張なんてすぐにしなくなりました。
体力的にも精神的にもめちゃくちゃ疲れるんですが、でもやっぱり楽しいんですよね〜。
音楽を演奏することでお客さんに楽しんでいただくっていうことの喜びをダイレクトに感じられる仕事だと思いました。
オープンから少しして、僕がバンドリーダー(バンマス)に任命されまして、週5日の固定で出演することに。
お店の営業・管理に関わるところも多少やらせていただいたりしてました。
毎日遅くまで仕事をすることが多く、終電に間に合わなくなることも増えてきたので、お店のすぐ近くに引っ越しました。
だからその頃はもうガッツリそこでの仕事をしてた感じですね〜。
一日5回のステージを週5日でやってたので、月にすると100回以上!
毎月100回もステージやってたんですねw
最終的には歌える曲のレパートリーも150曲くらいになってました。
このひたすら現場経験の毎日の中で、いかに負荷をかけずにしっかり声量を出せるか、高音を楽に出せるか、バテないようにペース配分が出来るか等を考えながら歌っていました。
どんなことをしたら日々の声の調子が良くなるのかとか、どんなものを食べたら喉に良くないのかとか、自分なりに研究しつつ。
そういうのがすごく身になったし、自分としても歌の成長につながったなと実感できました。
ちなみに余談ですが、僕が今まで歌をやってきて自分の歌が「伸びた!」と分かりやすく自覚出来た瞬間が4回ありました。
1回目は、車の免許を取って一人で運転してた頃、何も気にせず一人で車内で大声で歌ってた時に「え?こんな高い声出たっけ?!」ってなったのが最初。思い切りって大事ですね。
2回目は、ボイトレを始めてレッスンで色々なことを教わって、ちょっと意識を変えただけで声の出方が変わったと思った時。「コツ」ってあるんですね。
3回目は、このステージの仕事を始めてたくさんのステージ経験を踏ませてもらってる時。毎日色んな意識をしてみてたので、日に日に色んなことができるようになっていきました。自己研究って大事ですね。
4回目は、自分がボイストレーナーになって歌を教え始めた時。生徒さんが求めていること以上に自分自身ができるようにならないと教えられないので、要望に応えられるように必死になってたらこれまた色んなことができるように。必要にかられると人間強いですね。
そんなステージの仕事をしていた頃、同じお店で働くミュージシャン仲間に「歌を教えてほしい」と個人的に頼まれたんですね。
最初は僕も歌を教えること自体は初めてだったので手さぐり状態でしたが、
「せっかく教えてほしいって言ってくれたんだから、なんとか期待に応えたい」という一心でやってました。
その後、「自分も習いたい」と言って下さる方が徐々に増えて行って、何人かの方に個人レッスンをするようになっていきました。
そこから僕のボイストレーナー人生がスタートします。
そんなこんなで、ステージの仕事は2年ほどレギュラーでやらせてもらっていました。
その間にVOEMは活動休止をし、しばらくオリジナル活動からは遠のいて、ひたすらステージの仕事の日々でした。
でも、ステージをしている時にもお客さんや色んな方から「オリジナル曲はないの?」とか、「オリジナルでは活動しないの?」と言われることが多々あったんですね。
しばらく曲も作ってないし、また音楽活動始めようかな〜と思って、またユニットを組んでオリジナルの音楽活動するようになりました。
「ユニット活動編」へ続く!