そもそも、「英語を話す人達(欧米人)は腹式呼吸だ」というのをよく耳にします。

この辺、ちょっと誤解を生みそうな気がするのでまずはちょっと整理してみたいと思います。

 

 

欧米人は普段から常に腹式呼吸だけで生活しているということではありませんし、

歌う時に自然に腹式呼吸が出来ているというわけでもありません。

 

 

僕はアメリカ、カナダ、イギリスでボイストレーニングの経験がありますが、どの先生も腹式呼吸を意識したレッスンをしていました。

欧米人が自然と腹式呼吸が出来ているなら、そもそもそんなメニューは必要ないはずですよね?

 

 

それと、僕は歌う時に腹式呼吸を使って歌ったので、先生から

 

「呼吸の仕方が素晴らしい!新しい生徒を見る時に最初からそれが出来ている人はいない!」

 

とほめられたこともありました(笑)。

 

なので、欧米人だからと言って歌う時に最初から腹式になってるわけではないということです。

 

 

 

ただ、一つ言えるのは、英語という言語は腹式呼吸が必要になる言語なんです。

 

その一番大きな要因は「無声音」が存在するからです。

日本語は基本的に「有声音」がメインとなっている言語ですが、英語は有声音と無声音が混在しており、無声音も重要になってきます。

 

 

ちなみに、喉(のど仏の辺り)を触りながら発音した時に、ビリビリと振動を感じるのが有声音、感じないのが無声音です。

母音は全て有声音になりますので、「あいうえお」と言いながら喉を触ると振動を感じると思います。

単純に息だけを「ハー」とはきながら喉を触ると振動を感じないと思います。これが無声音です。

 

日本語の場合、基本的にほぼ全ての子音に母音も付けて発音するので、ほとんどが有声音となります。

それに対して英語の場合は、例えば「s」や「k」など、声を出さずに(無声音で)発音する音がたくさん出てきます。

 

 

例えば「snake」(=ヘビ)という単語の場合、日本語として発音すると「スネーク」となり、言葉の全てに「ウエーウ」と母音が入っているので全て有声音で発音しますが、

英語の場合は最初の「ス」と最後の「ク」は無声音です。

 

英語的な発音を文字で表すと、「sネイk」のようになります。

実際に声が鳴っているのは真ん中の「ネイ」で、それ以外は息だけです。

 

無声音を息の音でちゃんと聞かせないと「ネイ」しか聞こえなくなってしまいます。

 

 

 

以上のように、単語をちゃんと聞かせるためには息だけでもしっかり無声音を聞かせる必要があり、そのためには強い息の力が要ります。

この時にお腹の力を使います。これは、おそらく自然とそうなるはずです。

 

試しに息だけで「ス」という音(英語の「s」の音)を強く発音してみてください。

お腹で息をグッと押す感じがありませんか?この時に腹式を使っています。

 

その他にも英語では息をしっかりとはく必要がある発音がたくさんあるので、必然的にお腹で息を押しだす腹式呼吸を使うんですね。

 

 

 

ちょっと英語の発音講座のようになってきてしまいましたが(笑)、要するに、英語をきちんと発音しようと思うと必然的に腹式呼吸は必要になります。

なので、「英語の曲を正しい発音で歌えば腹式呼吸を使う部分も出てくる」とは言えるでしょう。

 

 

ただ、正しい発音の仕方が出来ていなければ(日本語的な発音で歌っていては)、英語の曲を歌っても自然と腹式呼吸になるとは言えないでしょう。

 

それに、英語の特性における腹式の使い方と、歌で必要な腹式の使い方は、厳密に言うとちょっと違う部分もあります。

(歌における特性は「腹式呼吸の特性」の記事でも書いたのでそちらをご参照ください。)

 

 

以上、英語と腹式呼吸の関係性でした!

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