「お腹から声を出す」の本当の意味

以前このコラムでも、

お腹から声を出す方法」という内容の記事を書きました。

 

その時は、お腹から声を出すというのは仕組みとしてどういう状態なのかを中心に書きました。

 

そもそも「お腹から声」という表現自体とても曖昧なので、

その仕組みが分かっていると理解しやすいかなと思います。

 

 

表現方法として曖昧だということもあって、

僕はボイストレーナーという指導する立場として、

なるべくこの「お腹から声を出して」っていう表現は使いたくないし、

あまり好きでもないんですが、

 

正直、

人の歌を聴いててそう言いたくなっちゃう時もなくはないんです(笑)。

 

 

じゃあ、僕はどういう時に「腹から声出せ」って言いたくなっちゃうのか、

自分なりに考えてみて、分かったんです。

 

それは、

 

「肚(はら)の声が出てない時」

 

です。

 

 

ここで僕が言っている「肚」とは、

 

本音、本心、本当の気持ち、本当の感情、本当の思い

 

っていう意味です。

 

 

 

よく、人の本心の表現として、

 

「腹の底が見えない」

「腹の底から笑う」

 

って言いますが、

そこで言う「腹の底」っていうのも上記の「肚」と同じ意味ですよね。

 

 

あと、深く納得する時に、

 

「腑に落ちる」

「腹落ちする」

 

って言ったりしますが、

その「腑」や「腹」も同じ意味ですよね。

 

そういう意味での「肚(腹)の声」っていうこと。

 

 

 

要するに、「肚の声が出てない」というのは、

「声に本当の自分の気持ちが乗ってない」っていうことです。

 

 

じゃあどうして本当の気持ちが乗っていないのか。

 

考えられる原因は、

 

・自信がない

・自分の声が嫌い

・恥ずかしい

・下手だと思われたくない

 

などです。

 

 

歌で言えば、

 

・音程が外れたらどうしよう

・リズムがズレたらどうしよう

・声が変になったらどうしよう

・うまく歌えなかったらどうしよう

・歌詞を間違えたらどうしよう

・悪く思われたらどうしよう

 

みたいなものだったりします。

 

 

そういう意識が邪魔をして、

本来出したい声が出なくなってるんじゃないかと思うんです。

 

 

お腹から声を出す方法」の記事の中で「大爆笑してみましょう」と書きましたが、

本気で大爆笑をしている時に、

 

「自分の声が嫌いだから恥ずかしい」

「こう思われたらどうしよう」

 

なんて考えてないですよね。

 

 

あと、お酒を飲む人だったら、

結構酔っぱらった時に出る声が分かりやすいかもしれないです。

 

 

酔っぱらった時って色んな思考的な制限が外れて、

勢いで思いっきり大声で話したり、

笑ったり、泣いたり、怒ったりしちゃいますよね。

 

 

 

よく、

 

「赤ちゃんが泣いている時の声が、お腹から出ている声だ」

 

と言われていますが、それも同じことですよね。

 

 

赤ちゃんが泣いている時は、気持ちや感情が純粋に出ていて、

ためらいがないわけです。

 

 

 

だから、純粋な気持ちが表に出てる時って、

いわゆる「肚(腹)から声」が出てるんですよね。

 

 

歌というのは、

やはり歌う人の気持ちや感情が乗ることで

より楽曲に彩りが加えられるものです。

 

 

名言の、

「Don’t think, feel」(考えるな、感じろ)

ではないですが、

 

頭で色々と思考して何かをためらったり、

何かを気にしたりした結果として出る声より、

せっかく歌うなら純粋な自分の感情や気持ちを乗せましょうよ。

 

 

必ずしも「大きい声を出せ」ということではないです。

結果として、大きな声、よく響く声になることが多いですが、

そうならなくても、ちゃんと気持ちが乗っていれば十分だと思います。

 

 

優しく歌うタイプの表現豊かな歌手に対して、

「腹から声出せ」とはあまり思わないですよね。

 

それはきっと、

ちゃんとその人の気持ちが声に乗って表現されているから。

 

 

結論として、

 

「腹から声を出せ」

 

っていうのは、

 

「肚の声を出せ」

 

すなわち、

 

「色んな思考的な制限を外して、自分の本心から出る声を出せ」

 

ってことなんじゃないかなと僕は思います。

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